こころ
谷川俊太郎がいなかったら、現代詩、いや、もっと広義に詩そのものが、われわれにとってこれほど身近なものでなかったことは疑いない。そんなことを考えたのは、たまたま手に入ったこの本が、谷川俊太郎にとっていったい何冊目の詩集なのかを調べようとして、とてもじゃないが調べきれない、ということに気づいたからである。このひと、いったい何冊の詩集を出しているんだろう。思えば、ここで最後に谷川俊太郎の本を紹介したのは、もう6年も前だが、あのときの『詩の本』は、過去の作品をまとめた選集の趣が強く、新作詩集というのではなかった。そういう選集をも含めたら、ほんとうにもう、何冊あるのかなんて数えきれない。詩との距離感を考…
2016/06/26 23:41