10月度テキスト(2)
「此の後の境に随って六識の名を立てたるは五色根が未自在なるに依りて説けり。若し自在を得つるときには、諸根互用(しょこんごゆう)するを以て一根いい識を発して一切の境を縁じぬ、但根に随う可し、相濫ずる失無しを以て。」(『論』第五)(この後の境(認識対象)に随って、六識の名を立てたのは。五色根が未自在位という位によって説いたのである。もし自在を得たときには、諸根互用するので、一根が識を発して一切の境を縁じることになる。随境得名はただ未自在位のみに限る。無漏の五識現在前する自在位にあっては五根が互有するから五識が自根に依って遍く五境を認識する、例えば眼識が眼根によって色境を縁ずるのみならず、余の四境をも縁ずることになり、自在位あって随境得名するならば、一識を色識乃至身識と名づけ五種の区別がなくなってしまうのである。そう...10月度テキスト(2)
2019/10/06 09:55