若いみそら
灰色猫の毛並みのような雲の隙間に驚くほど若い空が現れる同じ空を見たことがあるもう15年も前のこと不安で憂鬱で若かったがいまも同じくらい不安で憂鬱で若くない15年の間に3回引っ越して3回勤め先を変えたたくさんの人に出会ったでもそれは世界の人口の1億分の1くらいいろんなとんちんかんな努力をして成長したつもりでも他の人にはわからない知識や知恵よりも、皺やシミが増えたことくらいしかわたしもときどきわからない若いかんじは苦いに似ている若い空がひろがる遠慮深げに退いていく雲の縁は白く光っているだんだん若い空が見えなくなってくる最後になつかしさみたいにオレンジ色になって夜に隠れる月が出る若いみそら
2022/11/19 13:38