猛暑の試練
体験利用から約1年。春頃からは、足の痛みは鎮静化をみせるも、そう老い逸れと、 リハビリ再開という訳にはいかない。梅雨も明けると、エアコンの24hフル稼働 室温管理となる。だが、築40年の実家、室温を一定に保ち続けているつもりでも、 体には徐々に熱がこもっていくのか、母からは息苦しさの訴えが出るようになった。 午前中は落ち着いていても、昼も過ぎると状態に変化が出始める。 「呼吸が苦しい」と肩で息をし始め、みぞおちの辺りを摩り出す。 見兼ね、介助に入ろうとすると「摩るなら、足をお願い」と言う。 足に降りた血液を自力では心臓に戻せなくなっているのだろうか、 ふくらはぎを下から上にゆっくり撫でられると、楽になるのだと。 身長145㎝の母、80歳を過ぎても体重45㎏ほどを維持していた。 それが骨折で40㎏を切り、更に肉離れで30㎏台前半にまで落ちた。 パーキンソン病の診断が下ったが、肉離れからの解放にも目処が立ち、 朝食前には杖を使いながらも、庭先での歩行練習を日課にできていた。 それがどれほど、掛け替えのないことだったか。ただもう、それだけで良かったのに。 一年が経過した今、呼吸すらおぼつかないまでに衰弱が進み、ベッドから離れられず、 ほぼ付き切りの介助生活を強いられている。自分の判断のどこに間違いがあったのか…。
2016/07/01 23:45