決行の顛末

決行の顛末

自分が責任者の任に就いた施設で、その前年、弁護士を代理に交渉する程のトラブルがあり、 その利用者家族が自分達の立場からの主張も聞いて欲しいと、記録物を持って目の前にいる。 契約解除といっても手続き自体まだこれからで、民生委員が横でずっと経緯を見ている。 今後、この地域の老人相手にリハビリセンターの施設責任者を務めていく立場となれば、 自分が指定・約束した時間に来所した利用者家族を無下にあしらうことは出来ないはず、 そう思っていたのだが…。 この若いセンター長は横にいる民生委員にどう思われようと、私を追い返すことが 自分の役割だと確信を持っているのか、間口に立ちはだかったまま、微動だにせず 「記録物を置いていかれても自分は見ないし、代理人に渡すだけだ」とにべもない。