年末ぎりぎりの思い出
作家の津村紀久子さんは、「一年で一番好きな日は、たぶん大晦日だと思う」とエッセーに書いている。お正月はとても楽しい。けれど2日はもうただの休みだし、3日なんか明日から会社かと、げんなりする。以下、追記を記述する。▼しかし大晦日は違う。「待つ」ことの楽しさが凝縮されているのだ。「たかが新しい年になるだけだ。三十数年も生きると、別に新しい年になって何かが劇的に変わると言うことが無いのも知っている。それでも、待つことそのものを味わうのだ」と。▼家の掃除をし、お正月の買い物をし、年賀状を書く。そんなことをこなして迎える、何げないひととき。新年を待つだけの不思議な瞬間である。▼人間には二通りの時間の感じ方がある。一つは、未来に向かって直線に進んでいく時間。もう一つは、毎年毎年、循環する時間である。「直線」の感覚からすれば...年末ぎりぎりの思い出
2018/12/31 11:02