整う

整う

本格的に絵を習いはじめて5年。周りの生徒さんに比べると、基礎の段階でも明らかに劣っていた。なかなか上達しない私は、「とにかく描きまくるしかない」と毎週クレフ絵画教室に通いつつ日曜画家を続けてきた。上手いとか下手だとかは気にしなかった。とにかく見るもの全て「この色はどうやったら作れるのだろう」「遠近感や明暗」を意識していく。それを表現することだけに集中した。風景にマス目が現れて、そのマスの中の形や影の色まで見えだした。目に映る世界が変わった。思い込みや嘘でできていた世界が、一気に整う瞬間が増えだした。「物事の本質とはなんだろう」写実的な絵が好きなのは、そのことの追求からなのだろう。これには終わりがない。「放心」時折、絵から離れて客観視する。自分自身からも離れて自分を見る。あっさりと間違いに気づく瞬間が楽しい...整う