中谷宇吉郎『科学と社会』より 「一 日本人の科学性」
一と二を略して三から紹介します。「三・・・一番目に立ったこと、かつ現在もそれが目に立つことは、日本のいわゆる上層部の人達、例えば大臣とか昔の大将とか言う人達に、科学性が全然なかったことである。それが今日の悲運の最大の原因である。もっともこういう風に言うと、それらの人達に科学的の知識があったら、今度の戦争に勝てたというように誤解されるかもしれない。しかしそういう意味ではない。それらのいわゆる指導者たちが、いくら科学に通暁していても、とても勝てる戦争ではなかったのである。ただその人たちに、少しでも科学性があったら、こういう馬鹿な戦争は、決して始めなかったであろうという意味である。・・・」中谷宇吉郎『科学と社会』より「一日本人の科学性」
2016/04/23 17:04