「なぜ、何のために戦っているんだろう?」――「運命は踊る」
イスラエルの新鋭監督サミュエル・マオズが、「レバノン」に次いで発表した作品が「運命は踊る」(9月29日公開)です。同監督は、20歳になったばかりのころ勃発したレバノン戦争に砲手として従軍、壮絶な戦争体験をした。本作も、自らの体験をベースに、運命の不条理さ、人生のやるせなさを描き出したものです。とりわけ、ギリシャ悲劇を思わせるスタイルで、沈痛なファミリー・ドラマとして戦争の実相をとらえた点がユニークだ。イスラエルの社会状況を盛り込みながらも、普遍的な家族のドラマに仕上げた。その結果、ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞。本国でも、イスラエル・アカデミー賞であるオフィール賞で最多8部門受賞。各国の映画祭でも数々の受賞に輝いた。2018年、ヴァラエティ誌が毎年発表している観るべき10人の監督にも選...「なぜ、何のために戦っているんだろう?」――「運命は踊る」
2018/09/25 14:35