回復と重さを知ること L・M・モンゴメリ『赤毛のアン』(山本史郎訳)
摂食障害と希死念慮を抱えた精神科医の当事者本『人は、人を浴びて人になる』のなかで、筆者が大きく影響を受けた一冊がモンゴメリの『赤毛のアン』でした。 僕はある人の心に深く残ったということのなかには何かがあると思っていて、考えるときの参照点にしています。それは、心を湖にたとえるなら、かなりの深度を持ったところにある何かなのであって、その点を端緒にして考えていくと見えてくることがあると思っています。 それで図書館で山本史郎訳の『赤毛のアン』を借りてきて読んでいます。 訳者によると、村岡花子訳の同書では、アンのヒロイン的キャラクターをひきたてるために、アンをひきとった養育者のマリラは、ちょっとこわいお…
2019/04/30 14:58