学び
私は昨日空を見上げていた。昨日ではない。昨日は雨降りで私は1日家にいた。だから一昨日だ。公衆浴場の湯船につかりながら見上げたのだ。しかし記憶の中では青空だったからこれもおかしい。公衆浴場に行ったのは夜だから。見上げた空に竹が伸びていて風によって大きく揺れていた。風の強い日だった。上空はもっと強い。私はその竹の葉が揺れる様子に懐かしさを覚えた。 懐かしさ、とは物理的に葉が動く様子に対してではなく、私はかつてこの葉の動きの背後にあるものを捉えようとしていたことに対してかんじたのだった。なので竹と青空を区別する輪郭が分厚くなって青空にシワが寄り、特別なものに見えた。しかしそれ以上は無理だった。そうい…
2023/05/08 22:00