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  • その後のテレビドラマデイズ2022夏◎家庭教師のトラコ 最終回

    ●家庭教師のトラコ(日本テレビ 水曜ドラマ 22時から) 家庭教師のトラコを狂言回しにして、3つのホームドラマを展開するという流れだと思って見ていたが、最終回まで見て分かったのは、そんな私の考えはまったくの的外れだったということだ。 3つの家庭のドラマはあまり盛り上がらぬまま、いったん落ち着き(唯一、鈴木保奈美の家庭は破綻を迎えたため、ドラマチックな場面が用意されていたが)、終盤近くになって、トラコを主人公としたドラマが始まった。それは、実の母の出現と死を受け止め、家庭教師をしていた家庭の母たちの言葉を素直に受け入れることで、人間として再生する、というドラマであった。 といったわけで、見始めた…

  • さかなクンの半生を、のん主演で、という奇跡「さかなのこ」

    私は女優のんのファンで、さらに沖田修一監督の「横道世之介」(2013年)が好き、といったわけで「さかなのこ」は映画館でチラシを見つけて以来、大いに期待していた。そんな条件であるから、私にとって映画「さかなのこ」は面白いに決まっているのだ! 「さかなのこ」のモチーフは「さかなクン」である。映画を見終わり、いったい私はいつから「さかなクン」を知っているのだろうか、と考えた。わからない。いつの間にか、あの特異なキャラクターを受け入れていたのだ。いつも極度に緊張しているように見え、奇妙な帽子をかぶり、ぎこちない甲高い声でしゃべるさかなクンは、テレビの中でも明らかに挙動不審な人物だ。不審ではあるが、魚へ…

  • ちばてつやが描くみすゞの世界「わたしの金子みすゞ」

    わたしの金子みすゞちばてつやちくま文庫2022年9月10日初版発行880円+税 ちばてつやのブログ「ぐずてつ日記」は、巨匠らしからぬ手作り感あふれる朴訥な日記で、にじみ出る人柄の良さが偲ばれ、愛読している。 淡々としているものの、ちばてつやは現役の作家であるから、このブログはプロモーションの場でもあり、先日、ちくま文庫から「わたしの金子みすゞ」が発刊されるとの告知が載った。 ちばてつやが「金子みすゞ」の本を? 私は、詩というものを普段全く読まないので、金子みすゞという人をほぼ知らない。2011年の東日本大震災の際、ACのテレビ広告が繰り返し流れた際に「こだまでしょうか」を知ったクチである。面目…

  • その後のテレビドラマデイズ2022夏◎ユニコーンに乗って 最終回

    ユニコーンに乗って(TBSテレビ 火曜ドラマ 22時から)放送終了 NHKの朝ドラ「半分、青い」(2018年)は録画して見ていたが、いまでも消せない一本がある。それは、漫画家となったヒロインがやがてスランプに陥り、マンガ作品がつまらなくなる中、幼馴染が知らない女性と結婚していることを知り、大いに落ち込む場面を描いた回。マンガの師匠や仲間たちが気を使って慰めるのだが、ヒロイン永野芽郁は逆切れし、当たり散らす。そこでの永野芽郁が素晴らしく、たまに見たくなるので、「半分、青い」のほかの回はすべて消去しているのに、この一回(15分間)のみ、未だ録画機のハードディスの一端を占めている。 この時のような永…

  • ゴールディ・ホーンのキュートさに痺れよ「ファール・プレイ」

    私の好きな女優はゴールディ・ホーンなのだが、その魅力が大いに発揮されている映画の代表が1978年の「ファール・プレイ」である。監督は才人コリン・ヒギンズ。 公開当時、映画館で見た際は、ゴールディ・ホーンが異様にキュートなロマンチックなサスペンス、という記憶だったが、今DVDで見直すと、かなりコメディ色が強い印象。いろいろ変な映画だなあ。 冒頭、牧師の偉い人が殺されるシーンで掛けられるレコードのジャケットが妙だな、と思ったらどうやら「ミカド」と読める。日本を舞台にした有名なオペラらしく、Wikipediaを見てみると1885年に初演された歴史あるモノらしい。映画のクライマックスが実際その舞台なの…

  • 蔓延するご清潔な安心・安全に慄け! 映画「激怒」

    残念なことに間もなく閉館する(2022年9月19日とのこと)ディノスシネマズ旭川で映画「激怒」を見た。 高橋ヨシキ氏の企画・脚本・監督作ということで、いったいどのような映画なのか気になっていた。 高橋ヨシキ氏は雑誌「映画秘宝」のアートディレクター兼ライターとして読者ページを担当していたほか、多くの文章を書いていた。映画製作関係では園子温監督の「冷たい熱帯魚」の共同脚本を務めている。どれも面白く思っていた。 さらに印象を強くしたのはラジオ番組で、ちょっと前のことになるが、NHKのAMで放送していた朝の帯番組「すっぴん!」(藤井彩子アナ)の毎週金曜日(パーソナリティー高橋源一郎)において、映画を紹…

  • 暴力に魅せられた男たちが行き着くのは(地獄)か(煉獄)か(天国)か「天国の修羅たち」

    天国の修羅たち 深町秋生 角川文庫 2022年8月25日初版発行 760円+税 2022年9月16日公開の映画「ヘルドックス」の原作は、2017年9月にKADOKAWAから単行本として刊行された深町秋生「地獄の犬たち」である。この小説は2020年に加筆修正され「ヘルドックス 地獄の犬たち」として角川文庫となり、刊行されて間もなく読んだ。面白かった。 「ヘルドックス 地獄の犬たち」は、すさまじい暴力が連鎖する小説である。深町秋生の小説は、いつも三人称の記述だが視点人物による一人称に近い描き方で、「ヘルドックス 地獄の犬たち」の視点人物は兼高という人物だ。関東最大の暴力団・東鞘会の若頭補佐で優秀な…

  • ダメ刑事イーストウッドの逆襲劇「ガントレット」

    遠い昔、はるかかなたのテレビの世界では、月曜日とか水曜日とか日曜日とかの夜9時から洋画劇場というプログラムがあって、様々な映画が放映されていた。クリント・イーストウッド主演の西部劇やアクション映画は人気があったから、よく放送されていたものだ。というわけで今回ご紹介の「ガントレット」もよくかかっていたように記憶している。1977年のクリント・イーストウッド監督・主演の刑事アクション映画で、共演は当時の愛人ソンドラ・ロック! 我らがクリント・イーストウッド扮するフェニックスのショクレー刑事は、ある事件の証人であるソンドラ・ロックをラスベガスから護送する仕事を引き受ける。それは簡単な仕事のはずだった…

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