無題

無題

「ワン」ああ、いつもの時間か。ぼんやりしていたオレは部屋の入口で伺うように覗いている茶色のモフモフに気づき苦笑する。活動できない日々が続いている今、ぼんやりと考え事をしているといつの間にか一日が過ぎていくのを彼がなんとか繋ぎとめている。「わかったよ。行こうか」お気に入りのリードを手に取り彼の元へと歩み寄る。いつのもの時間のいつものようにいつものところへ。雨上がりの空気は身体に纏わりついて少し恨めし...