辻斬り と かぶき者
「月のない星明りのきらめく薄暗い夜で、提灯の火で足元をてらして歩くと、天王橋の所で、一人がヒェッと脅えたので、提灯を差付ると、そこに年寄った男が袈裟懸け(けさがけ)に斬られて、真逆様に打倒れ、まだ斬り立ての・・・」 江戸幕末を生きた古老の回顧談を集めた篠田鉱造氏著「幕末百話」に江戸文久元治の頃の辻斬りの話がありました。 辻斬りとは? 大辞林をひくと「武士が刀の切れ味を試し、また武術を磨くために、夜間、路上で行きずりの人を斬ったこと。また、斬る人。江戸初期横行し、幕府は禁令を出して引き回しの上死罪とした。」とあります。 辻斬りは世情騒乱の幕末期にも横行していますが、大辞林にもあるように未だ戦国の気風が残る江戸初期において多く発生したようです。 徳川第3代将軍の家光(1604~1651)や水戸黄門として知られる徳川..
2014/05/26 20:28