the incubation period ― 刑事編・side藤原高彬管理官 ―
他人から、面と向かって「サイテー!!」と怒鳴られたのは、生まれて初めてだった。初めてというならば、ぼくにとって彼女は何から何までことごとく初めて尽くしで、あの衝撃の出会い以来、未だにぼくは軽いカルチャーショックに陥っている。第一印象は、と聞かれれば、「最悪だった」と答えるのが妥当なのだろう。なにしろぼくは、署内の廊下ですれ違いざま、スーツの胸元に思い切りコーヒーを掛けられるという、これまた人生で初...
2019/01/26 10:50