キズ、ナミダ

キズ、ナミダ

今、何があったわけじゃない昨日、何があったわけじゃないでも、過去のいろんなことがいま、わたしのこころを揺さぶるほんの小さなトゲがほんの小さな傷を作ったただ、それだけその傷に触れた瞬間わけもわからないくらい涙が溢れたこの傷が痛いんじゃないもっと奥の昔の傷が痛みだした自分でさえ覚えていないそんな傷たち泣けば泣くほど溢れかえってくるけど泣けば泣くほど傷は消えていくそうして泣いたあと気づくのはその自分の背中の軽さなんにもできないと嘆いたときに感じた背中の重さはもうない『よく耐えたね、もう翔んでもいいんだよ』そんな風に誰かに許可されたようなそんな軽さをもった自分を見たああ、もう大丈夫このままで、いまのままでこのままの自分でわたしは、どこにだって行けるキズ、ナミダ