天体観測(即興詩)
「天体観測」多くの葉をまとった大樹よしなびた花びらを手放したまえ忘れてしまえ、季節を外れた色なんてすべてが地面へ向かう秋だから緑から赤、黄へと色を変えて落としてゆけばよいのだよ紅く色づく大樹の葉わたしのふるえる指先があなたの枝先に振れたとき涙が止まらなかったのはなぜだろう目に見えない悲しみが先端から伝わってわたしの心を凍らせたから?あなたの頂部が差す先にあるあの星の大地は限りなく広いこと私は知っている、そしてこの星のいのちが残り少ないこと誰もが気づいている企てている、誰もが脱出を行くべきか、残るべきかいずれが正しいかもわからず今日もまた日が暮れる私はずっとこの星で暮らしてきたこうやってひっそり年老いていつかひとりっきりになったらあの星が廃れゆくさまを見届けることになるのだろうなぁこの星が安泰である限り水が流れる...天体観測(即興詩)
2020/11/23 09:32