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2012/12/22

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  • 19-3 初デート① ドライブ

     「きれい...」今いる山の木々が続き、その先に建物が小さく見える。 霞がかるほどの遠目に海だろうか、水面の地平線が見えた。風が吹いて高台にいる人たちの髪が揺…

  • 19-2 初デート① ドライブ

      突然学生時代を問われた檜山さんは困惑していたけれど、私が大学名や当時の状況を説明すると記憶を思い巡らしてくれた。「あったな!サークルの展示で着た。え、香澄…

  • 19-1 初デート① ドライブ

     車のドアを開けた途端に熱い空気が流れ込んできた。 でもそんなことは気にならない。車から降りて少し先にある緑の木々と青空のコントラストに目を奪われた。「うわぁ…

  • 18-6 パーティーとデートの約束

     「どこに行きたい?」でもその言葉にまた檜山さんを見てしまう。「えっと、檜山さんの車で出掛けるんですよね。できたら...景色が良いところに行ってみたいです。山…

  • 18-5 パーティーとデートの約束

     「そうですよね...」里見さんが都合がつかないと嘘をついて、私に恋人候補を見つけさせようとしたというのなら、それは辛いと思ったのだ。 それが親切心からだった…

  • 18-4 パーティーとデートの約束

     檜山さんの"椎茸キライ"な顔を見ていたら、最近似たような顔をさせたことを思い出して口に出た。「私もホテルの美味しい食事を頂けるんですけどね、違う日だったらよ…

  • 18-3 パーティーとデートの約束

    ===偶然街で檜山さんに捕まったあの日から、日曜日の昼食は一緒に喫茶店アイダで食べるようになった。 檜山さんの仕事で一度だけ食べられなかっただけだ。「ほらこれ…

  • 18-2 パーティーとデートの約束

     「女の子たちと話すと面白かったよ。業種は違っても上司の愚痴は似たようなものでね。盛り上がっちゃった」この発言には所長も苦笑いを見せた。「渡辺さんも今は所長の…

  • 18-1 パーティーとデートの約束

     8月に入った。盆休みに向けて前倒しができる仕事を、里見さんと打ち合わせている時に所長から呼ばれた。 里見さんと私が一緒に呼ばれるのは珍しい。何事だろうと思っ…

  • 17-6 警戒センサー

     えっ、と微かに出した声と驚いた私の顔を見て檜山さんはふっと笑った。「この1ヶ月メッセージのやり取りをして思っていたけど、今日ここで話して更に思った。 事務所…

  • 17-5 警戒センサー

     檜山さんが弁護士になる前から知り合いだったという二人。 クレーマー退去の話も家賃がタダになる、そんなお金の理由だけで檜山さんが受けた話しでもないような気がす…

  • 17-4 警戒センサー

     「…檜山さんはよくここでお昼を食べるんですか?」ぐるりとお店を見渡す。お客はランチの時間帯が過ぎて私たちしかいない。それでも居心地は悪くなかった。「…ああ。…

  • 17-3 警戒センサー

     「いいえ。そんな言動は全くないです。皆と同じように接してもらっています。 でもうまく言えないんですけど...。やっぱり直感とかセンサーとかそんな言葉でしか説…

  • 17-2 警戒センサー

     「直感?」しまった。なにも考えずに答えてしまった。檜山さんも苦い顔つきになった。「直感...また対応も何もできない基準だな」「そうなんです。でもそれでちゃん…

  • 17-1 警戒センサー

      「あれから変な男から言い寄られてないか?メッセージで大丈夫だとはもらっているが直接話して聞きたかった」食事を終えたお皿がひかれて、檜山さんにはブレンドコー…

  • 16-6 アイダ

      「かしこまりました。初めてのお客様ですよね。いらっしゃいませ。店主の合田あいだと申します」檜山さんの会話の後に老人は体を私に向けて挨拶をしてくれた。私も会…

  • 16-5 アイダ

       そんな地名があるのだろうか、抜けたという意味も分からない。 そんな私の状況が分かったのか檜山さんは教えてくれた。「あー、アイダは喫茶店の名前なんだ。そこ…

  • 16-4 アイダ

     休日でも檜山さんとメッセージのやり取りをするのは夜だ。檜山さんは忙しかった日もあるし1日家にいた日もあった。 時間があったと知っても会いたかったな、と思うよ…

  • 16-3 アイダ

     男の人が苦手なことを知っている檜山さんはこのお願いには難色を示すことなく了承してくれた。 きっと面倒な奴だと思っているだろう。私のワガママばかりを押し付けて…

  • 16-2 アイダ

      メッセージ上の檜山さんと職場でみる檜山さんが同一人物に思えないんだ。 知らない人だから自分の本心をさらけ出せるみたいな、そんな心情になってしまった。いや、…

  • 16-1 アイダ

      檜山さんと付き合うようになってもうすぐ1ヶ月が経とうとしている。 しかし二人の関係はほとんど変わっていない。プライベートではあの告白をされた日以来会ってい…

  • 15-4 葛藤

      そんな私にとって檜山さんはどれにも分類されない人。 特別な人。顔も見ていないその存在だけで不思議な感覚が襲った人。檜山さんは防衛本能が働く怖い人ではない。…

  • 15-3 葛藤

      とても大事にしてもらった。私だってとても大切な人で側にいたかったのに、 私は拒絶をして彼らを傷つけた。 もう一人の私が男の人を拒絶してしまったんだ。側にい…

  • 15-2 葛藤

     5歳の断片的な記憶…ある日の夕方。マンションのエントランスでひとりで遊んでいた。なわとびをしたくて家を出たはずだった。 私は…男の人の頭が…私のスカートの中…

  • 15-1 葛藤

      檜山圭吾さん32歳。ヒロセ法律事務所に所属する4名の男性弁護士の一人。 26歳で弁護士登録を果たした。 廣瀬所長はそれ以前より檜山さんとは面識があり実力に…

  • 14-3 急展開②

      「何回も告白してかなり恥ずかしいんだけど。分かってる?あんた鈍感すぎ。 あんたのことを気に入ってる奴が他にもいるのに全然気が付いてない。男嫌いなくせに男を…

  • 14-2 急展開②

      そんな言い訳、声、目の動き、事実を話していない奴の特徴そのままだから。俺は更に問い詰めた。「男嫌いはないんだな?」「そう言っているじゃないですか。 そうじ…

  • 14-1 急展開②

      「渡辺さんの恋人、俺にしといて」「は?」いきなりこんな提案をしたら渡辺香澄はどんな反応をするだろうかと想像していたがどれも違った。きょとんとするか慌てるか…

  • 13-4 急展開①

      ===渡辺香澄と駅前の居酒屋で食事をした。 居酒屋を出て電車に乗り、二人の最寄り駅で降りたところにあるコーヒーショップに向かっている。職場を離れて二人だけ…

  • 13-3 急展開①

      渡辺香澄が狼狽する様子を見て予想は事実だったと確信した。「俺は4年前から知っているから隠そうとしても無駄。4年前よりは酷くないけど外回り始めてから表情が硬…

  • 13-2 急展開①

       彼女をベッドに座らせその前に立った。彼女は礼を述べ俺が何を聞いたかを確認すると事務所に戻ろうと言い出した。 この話を終わらせたがっているのが見てとれた。…

  • 13-1 急展開①

      1Fにはパーテーションで仕切られたミーティングスペースがある。2メートル弱のパーテーションに仕切られているだけなので声は聞こえる。 俺がそこに着いた時は男…

  • 12-4 渡辺香澄について③

      しかし。最近の彼女の変化を、誰か気付いているだろうか。彼女の表情が若干固くなってきている。 クライアント先への訪問があった日にそれが顕著に出ることがあるの…

  • 12-3 渡辺香澄について③

      1月最初の所内ミーティングでそれは発表された。4月から渡辺香澄が経理事務から所長補佐の職に異動となることが言い渡されたのだ。 理由は二つ。一つは所長がある…

  • 12-2 渡辺香澄について③

       だがそこにひっかかりを覚えて渡辺香澄の言動を注視した結果がこの結論だ。当初俺が感じた視線などの彼女の違和感は、彼女が身に付けた対応策のように思えた。柔ら…

  • 12-1 渡辺香澄について③

      渡辺香澄がヒロセ法律事務所に来て4年が経とうとしていた。1年を過ぎた頃には仕事もすっかり覚え、里見さんとは連携が滞りなく出来ていた。オバチャン事務員は相変…

  • 11-4 渡辺香澄について②

      「まだ彼女は特別になってることが自分で分からないの?もう檜山君の今までの行動は、好きな子を遠くから見ている学生みたいなんだからね。ぼーっとしてたら誰かに持…

  • 11-3 渡辺香澄について②

        ベッドに寝かせて里見さんが布団をかける。彼女はそれでも目を覚ますことなく眠っていた。「顔色が悪いな」「しばらく寝かしときましょう。後でまた私が見に行く…

  • 11-2 渡辺香澄について②

       俺は今度はゆっくりと彼女を抱き止めた。胸の中にある小さな顔と細い肩。目は覚まさない。頬に触れるとひやりと冷たかった。脈とわずかな呼吸を確認してスマホに手…

  • 11-1 渡辺香澄について②

       外出先から戻ると6階の事務所に入る前にこのフロアにある休憩スペースに向かう。いつものように自販機のコーヒーを買いに行くためだった。窓が大きく光がさしてい…

  • 10-4 渡辺香澄について①

      「すみません…朝確認したときにこちらと伺ったのですが…」渡辺香澄の小さな声が微かに聞こえる。「私が言ったのはこの請求ファイルよ。指示もまともに聞けないの?…

  • 10-3 渡辺香澄について①

     また逆に、面白いように俺を嫌ったり恐ろしく無関心を貫く女たちもいる。一度も会話すらしたことがなくても。「イケメンだからでしょ」仲間の女性弁護士に言われたこと…

  • 10-2 渡辺香澄について①

     朝礼の時よりも近くで見た渡辺香澄はやはり目の大きな子だなと思った。そしてその瞳に若干の違和感を持った。斜視とも違う視線のズレ。いや目はちゃんと合っている。に…

  • 10-1 渡辺香澄について①

     「本日よりお世話になります渡辺香澄です。よろしくお願いします」朝礼でそう挨拶した彼女を初めて見た時は目が大きな子だな、と思った。悪い印象ではない。むしろ好き…

  • 9-3 檜山さんの提案②

     「何回も告白してかなり恥ずかしいんだけど。分かってる?あんた鈍感すぎ。あんたのことを気に入ってる奴が他にもいるのに全然気が付いてない。男嫌いなくせに男をかわ…

  • 9-2 檜山さんの提案②

     「建前抜きで言う。お前が好きだ。恋人になってほしい」…あり得ない発言とその真剣な眼差しに私は頭が真っ白になった。「男嫌いなあんたに告白しても断られると思って…

  • 9-1 檜山さんの提案②

     「甘く見過ぎている。職業柄渡辺さんもストーカー被害や性犯罪は目にしてきてるだろ」はい。というか、一方は当事者です。…とは言わない。知っているから大丈夫だと分…

  • 8-3 檜山さんの提案①

     「渡辺さん、今モテ期なんだろ?イテラの担当者と、事務機器メーカーの営業だっけ」ああ、今日里見さんが話したやつだ。「いや、あれは里見さんが勝手に...」「ゼリ…

  • 8-2 檜山さんの提案①

     「いや、渡辺さんの会話は聞き上手なだけ。それを勘違いをするのは奴の方がおかしい。俺が休憩室で言いたかったのは、会話の方法とかじゃなくて、男からの誘いの断り方…

  • 8-1 檜山さんの提案①

      食事が来てからは普通に同僚との会話を楽しんだ。料理の感想や他に行くお店の話、仕事の話も聞いた。「意外とよく話すんだな。事務所では黙っているイメージだったけ…

  • 7-5 男嫌いがバレたわけ

     そう、長椅子で意識が遠くなる感覚を覚えた次に気が付いた時は、休憩室のベッドで寝ていた。里見さんが肩に私の腕をまわして、私は無意識ながら休憩室まで歩いたと聞い…

  • 7-4 男嫌いがバレたわけ

     「渡辺さんって恋人いるの?」「えっ?」「渡辺さんのプライベートって知らないし。好きな人はいるんだっけ。そんな断り方してたよな」1Fのフロアで田村さんから迫ら…

  • 7-3 男嫌いがバレたわけ

      男の人が苦手だという事を樋山さんが知っている。その事実のショックは夕方に比べたら収まっていた。 冷静になると、檜山さんでなくとも知られたからといって、今の…

  • 7-2 男嫌いがバレたわけ

     久しぶりに檜山さんの席に来たので、背の高い檜山さんから見上げられるのも久しぶりかもしれない。顔が整っているというだけでその視線にどきりとする。「なに」「あ、…

  • 7-1 男嫌いがバレたわけ

     18時を過ぎ、里見さんは退所した。里見さんは結婚をしていて子供はいない。そして旦那さんは海外で仕事をしているので飼っている犬と生活をしているそうだ。弁護士の…

  • 6-2 里見さんとモテ期

     「田村さんはちょっと度が過ぎない?所長に報告する?」里見さんにはこれまでの田村さんの様子を話していた。今日の訪問で里見さんにとって田村さんはクライアントらし…

  • 6-1 里見さんとモテ期

     「あ、お疲れ様。大丈夫?檜山さんから具合が悪そうとしか聞いてないんだけど」私が事務所に戻ると里見さんが声をかけてくれた。事務所にいたのは里見さんと檜山さん、…

  • 5-3 1Fフロアにて②

     5歳の頃の性犯罪被害は知られることはないはずだ。そうすると前職の私のセクハラ被害を知っているということなのだろうか。でもあれも表立たずに終わったはずだ。もし…

  • 5-2 1Fフロアにて②

      「ああ、じゃあ少し確認させて。あいつ、最近担当になったのか?俺の知ってる担当者じゃないけど」「1年ほど前に担当が変わったんです」「じゃあそれからあんなふう…

  • 5-1 1Fフロアにて②

      この第二休憩室は見返す頻度の低い資料や事務所の使わなくなった備品が雑多に積まれている。そして部屋の奥に保健室にあるようなベッドが2つ置かれていた。2つの休…

  • 4-4 1Fフロアにて①

      「電話なんか入ってない。あいつを追い帰すでまかせだ。でもほら、行くぞ」檜山さんは先にミーティングスペースから出て受付に終了を知らせると私をエレベーターに促…

  • 4-3 1Fフロアにて①

      「檜山先生…!」パーテーションの出入口に立っていたのは檜山先生だった。とっさに田村さんの横をすり抜け檜山先生の側に行く。「…大丈夫か?」小声で聞かれて頷く…

  • 4-2 1Fフロアにて①

      いつもと違う低い声で田村さんはそう言うと、私の腕をさらに引き二人の位置を逆にすると私をパーテーションに寄せすぐ近くに立ちふさがった。 出入口に田村さんは背…

  • 4-1 1Fフロアにて①

     「…お待たせいたしました。確認が終わりました。書類をお預かりします」私は書類から顔を上げて田村さんを見た。届けられた書類は行政機関に提出する書類だった。 専…

  • 3-3 仕事風景

      「急にすみません。近くを通る予定があったので渡辺さんにお渡しする書類を持ってきてしまいました」田村さんはそう言った。あいさつとお礼を言いながら私は正直戸惑…

  • 3-2 仕事風景

      「渡辺さん、暑気払いに今度飲みに行きませんか?」帰り際の雑談の中で、それまでの業務連絡とは違う熱量の視線と口調で男性担当者から言われた。「暑いですよねぇ。…

  • 3-1 仕事風景

      暦は6月。街を歩けばクールビズのサラリーマンや夏服の制服を着た中高生、薄手の服にはおりものを着た女性たちが増えてきた。入所4年目の私は4月から経理事務から…

  • 2-3 転職先と檜山先生

      ――入所初日。私は緊張しながら受付ブザーを鳴らした。受付のパーテーション奥からドアの開く音がして同年代くらいの女性職員が現れた。「おはようございます。本日…

  • 2-2 転職先と檜山先生

      付き合いで行った他大学での学園祭でちょっと不思議な感覚に襲われたことを10年以上も前のことなのに覚えている。何かのサークルの集まりのようだった。紹介のよう…

  • 2-1 転職先と檜山先生

     彼氏と別れ、仕事も辞めた私は法律事務所に転職した。転職したヒロセ法律事務所は廣瀬所長をはじめ男性弁護士が4名、女性弁護士が1名、事務員は男性1名、女性3名が…

  • 1-3 過去と決意

     一つ年下だった彼。スポーツクラブのインストラクターをしていて爽やかで真面目な好青年だった。だからこそ、私に構う時間を無駄にさせているようで申し訳なかった。そ…

  • 1-2 過去と決意

     たった一度、彼の愛撫がきっかけでフラッシュバックを起こした。ほとんど寝ていた私。覚醒しきれていない頭が普段は繋がらない5歳の出来事の記憶を起こしてしまったの…

  • 1-1 過去と決意

      一人で生きていこう。大切な人は作らない。…そう4年前に決意したした私は数週間前の3月3日に29歳になった。あっという間の4年だった。彼氏とも、勤めていた会…

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