『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』/佐宗邦威
カイゼン思考、戦略思考、デザイン思考に次ぐ、「ビジョン思考」なるものを提唱する一冊。佐宗によれば、「ビジョン思考」とは、個人の関心、妄想といった内発的動機からスタートして創造性をドライブし、直感と論理とを結びつけるような思考法、であるらしい。 前提とされているのは、クリスチャン・マスビアウ の『センスメイキング』で語られていたのと似たような話で、いわゆる「正解」のないVUCAの時代には、データやロジックに基づいて戦略を策定していく、というやり方は十分に機能しない、ということだ。だから、周囲の環境や自分自身について、自分なりに感知し、解釈して、自分なりの意味づけを行っていかなければならない。その感知・解釈・意味づけ(本書の表現によれば、妄想→知覚→組換→表現)の方法論として、『センスメイキング』ではリベラルアーツに再注目すべし、という主張がなされていたわけだけれど、本書では、「他人モード」(他人に合わせて、他人の思考を想定してかんがえる)ではなく、「自分モード」になってかんがえていこう、そこから思考をスタートさせよう、ということが述べられている。
2019/08/18 13:06