婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第5話 私を捕える彼女の存在
気付いてしまえば現金なもので、彼女との幾つかの節目となる出来事の一つ一つが特別なもののように感じられて来るから不思議だ。 誕生してひと月後の、初対面した時の赤子の割にハッキリとした顔立ち。伯爵に良く似た面差しに、思いがけず苦笑いを漏らした。 初誕生を迎えた1歳の時には、足取りがおぼつかないながらも私の腰の帯(サッシュ)が気になって、ひたすら触ろうとしていた可愛い姿。 2歳の誕生には、色々な事に興味を...
2019/08/05 01:53