雪と子供たち
夕方の通学路を小学生の男の子が二人それぞれ大きな白いものを持って仲良く並んで歩いて来る近づいてみるとそれは長細い雪のかたまり朝の雪がそのまま凍って学校の運動場の隅や帰り道の植え込みの陰に僅かに残っているのを見つけたのだろうまるで珍しい動物を捕まえたように得意そうに嬉しそうに自分のと友達のとどっちが立派かさりげなく横目で比べながら大事そうに抱えてそろそろと私の横を通り過ぎるきっと何処か二人の秘密の場所に隠しておくのだ家に帰ってお母さんにそんなもの捨ててしまいなさい・・・なんて言われないように*道の向こう側で小さな女の子がふと立ち止まって「雪が光ってる!」驚いた声で側にいるお母さんに告げている見ると道の真ん中に盛り上がった汚れた残雪のうえに茜色の夕陽が淡く差しているお母さんは関心無さそうにちらっと道路を見やりながら...雪と子供たち
2013/04/23 07:54