▶【前はこちら】まさかこんなことになるなんて思ってなかった……と言ったら嘘になります。私は期待していたんです、由美さんに近づけることを、こうやって触れあえるようになることを、ずっと望んでいたんだと、その時に自覚しました。ソファでキスをして、そこからは自然に流れるように進んでいきました。キスをして、頬に触れて、名前を呼んで。暫くは抱きしめ合いました。それだけでもドキドキして、由美さんのいい香りがして夢...
仕事帰りのその日は金曜日でした。お気に入りのいわゆる隠れ家バーのカウンターでいつものように赤ワインを楽しんでいると、不意に「あら、えりさん？」と声を掛けられたのです。前に仕事の延長で参加したワイン会があり、それが切っ掛けでワインに興味を持つようになったのですが…それは今は置いておくとして。そのワイン会で知り合った人でした。由美さん（仮名）は、私より少し年上なだけなのにとても落ち着いた物腰の美しい、...
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