映画『花束みたいな恋をした』考察3
【4】本作の核心である「あと一歩」の回想 「われわれのこれまでの道のりは美しかった。あと一歩だった」 ブラジルキャプテンのジュリオセザールの言葉をもとに、ふたりは別れを決めた後も、この“あと一歩”がなにかを考え続けた。 実は本作は、ふたりの回想に基づいて創られている。 公式HPより抜粋 同棲中に浮気したかどうかを問い合う場面でも、深刻な問題には発展せず、むしろ「ふたりでひとつの恋愛」をもう保っていないからこそのゆるやかさが生じている。 最初はスニーカーを履いて自由を謳歌していたふたりが、社会に出て革靴に変わり、再会時に相手に「いい革靴を買ってあげたい」と思うほどの上下関係や社会通念を内包する恋…
2025/02/13 02:57