鬱の景色
真っ暗な中、平均台の上を歩いているようだった。進む先も真っ暗で足元しか見えない。進まなければいけないのに足は重くて動かない。そんな気分だった。 「普通」から外れること、家族の期待を裏切ってしまうことが怖かった。周囲の視線も怖くて外に出られず、LINEの返信もできなくなった。心配をかけまいとついてしまった嘘にじわじわと首を絞められていく。何もできないまま時間だけが過ぎて状況が悪化していく恐怖から、毎晩 「起きたら過去に戻っていますように」 「いっそ世界が終わっていますように」 と祈りながら眠りについていた。 人に会うことが怖くてたまらなかった。知り合いに会ったら近況を聞かれ、何も進んでいない自分…
2024/10/29 11:28