嵯峨野花譜
久しぶりに読んだ葉室麟さんの作品『嵯峨野花譜』舞台は文政13年(1830年)の京都。年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。「昔を忘れる花を活けてほしい」「亡くなった弟のような花を」「闇の中で花を活けよ」……次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。歴史、能、和歌にまつわる、あるいは生まれたままの、さまざまな花の姿を追い求め、繊細な感受性を持つ少年僧が、母を想い、父と対決していくうちに成長をとげていく、美しい物語。本当に美しい物語だった和歌は、解説なしではわかならいけれど、この小説を読んでいるうちに和歌を知りたくなった。自分の知らない世界の美しさを知りたくなった。葉室さんの小説は、どうしてこんなに心を打つのかなまだ読んで...嵯峨野花譜
2020/05/10 19:25