『幸せを届けるボランティア、不幸を招くボランティア』田中優/著
幸せを届けるボランティア、不幸を招くボランティア (14歳の世渡り術)著者:田中 優販売元:河出書房新社Amazon.co.jpで詳細を確認する未曾有の震災から4週間が経ちました。今思うとはじめの一週間くらいはとても長かったような気がするし、全てがとても早く過ぎたような気もします。原発などまだまだ予断を許さない状況が続いています。4週間経ってなお続く余震や明らかになってゆく被害の大きさに本当に言葉もありません。この本は、震災後間もなく、募金や献血・買い占め自粛以外にも何かできることはないのかと悶々としていた時に図書館で目に留まった本です。河出書房の「14歳の世渡り術」という中学生以上を対象にしたシリーズの1冊で、子どもでも理解できるように、とてもわかりやすくボランティアとは何か、ということが書かれています。また身近なボランティア、海外ボランティア、災害ボランティア、NGO、NPOなど、様々な活動についてもとても平易に説明がしてあります。この本の良いところは、タイトルにもあるように、善意でしたボランティアが人を不幸にする場合もあることも語られている点だと思います。ボランティアの抱える問題点、矛盾点などの指摘には納得です。一部身につまされる話もありましたし。今までボランティアというものについてけっこう誤解していたのだなぁ、と目から鱗がぽろぽろ落ちました。何より、ボランティアは何も特別なことではない、気負わなくても良いんだ、と少し心が軽くなりました。東海地方在住ですので、今私は日常生活に支障のない暮らしをすることができています。本当にありがたいことです。被災地が復興していく為にも日本という国の経済を支えるためにも、今は被災地以外に住んでいる者こそが頑張る時ですよね。とにかく元気を出して仕事をしながら、自分の身の丈にあった支援を細くても長く続けて行けたらと思います。...
2011/04/08 22:29