回顧録9〜共作〜

回顧録9〜共作〜

話は担当が外れた事に戻るが、ようやく自分の才能の無さに気づいて一週間くらい凹んでいたと思う。 担当が自分で降りる、と言った漫画家仲間の話など、聞いた事がない。 襖越しの共同生活をしているTさんはそんな状況を見かねてか「そのネーム、オレが直したろか」と言った。 若干のクリエイターとしてのプライドが引っかかったが、自分の話がTさんの手でどんな風に変化するかの方が興味があったので、お願いすることにした。 私が3回ほど直したネームの3回分を良いところだけ取って、Tさんは見事な展開を作り上げた。 Tさんのネームではキャラが泣いていた。 泣いた理由がよく分かった。 それを見て、主人公が行動をしていた。 私…