週刊誌でない方の文芸春秋 (2024年7月号その2)
理論物理学者で東大特別教授の大栗博司氏の連載があった。タイトルは「地図を持たない旅人③」このタイトルは“研究とは地図を持たずに旅をしているようなもの”から来ているらしい。大栗さんは、多くの賞、名誉ある組織の長を歴任していて自身もノーベル賞を獲ってもおかしくない方(素粒子論)であるが、書く日本語のエセイ、文章がとても平易でわかりやすく秀逸だ。その点では随筆欄の常連、藤原正彦氏に似ている。今回は映画「オッペンハイマー」から文章を始めている。そして、オッペンハイマーと大栗博司氏の師である南部陽一郎についてこう言っている。「キツネは多くのことを知っているが、ハリネズミは大切なことを一つ知っている」という言葉があるがオッペンハイマーは典型的なキツネ。頭の回転が速く、何でもすぐに理解ができて、だれよりもうまく説明でき...週刊誌でない方の文芸春秋(2024年7月号その2)
2024/06/28 16:02