子どもの親権

弁護士の鳥生です。最近、日記ブログが続いていたので、久々に離婚についての話題を。私は女性側の離婚相談を受けることが比較的多いのですが、やはり、一番の心配事は子どもの親権です。相談の中には、離婚を求める妻もしくは夫をつなぎ止めておくための道具として、子どもを利用しているのではないかと疑いたくなる事案があります。たとえば、夫が、経済力を背景に、「無職の母親は親権をとれない。」「離婚するということは、子どもを捨てるということだ。」などと言って、離婚しようとする妻を引き留めようとするのです。そして、母親というものは「子どものため」と思うと、我慢ができてしまうのでしょう。「私が我慢すればいい。」と、離婚を断念する。聞いていて歯がゆくなります。子どもにとって、両親そろった環境は好ましいこと自体は疑うべくもありませんが、両親...子どもの親権

初心を忘れず。

弁護士の鳥生です。弁護士の業界は、経験年数をいうとき、「●年目」という表現をします。つまり、私は、弁護士登録をしてから4年と半月なのですが、「弁護士になってどのくらいですか？」と聞かれると、「5年目です。」と答えるわけです。今日、医療問題弁護団の法律相談を、大ベテランの先生と一緒に受けました。相談後、ご一緒させていただいた先生に、「何年目ですか？」と聞かれ、「5年目に入ったところです。」と答えました。自分のことながら、もうそんなにたったのかぁと少々感慨深くなりました。司法修習生のとき、教官に、「3年目までは新人。まずは3年必死でやれ。」「5年目までの仕事で、その先の弁護士人生が決まる。」という趣旨のことを言われました。それを聞いて、5年間は仕事を最優先に頑張ろうと決意をし、実際、目の前の事件に一生懸命取り組んで...初心を忘れず。

「子どもの暴力防止プログラム」見学

弁護士の鳥生です。少し前になりますが、「子どもの暴力防止プログラム」というワークショップを見学しに行きました。これは、NPO法人市民共同学習プロジェクト子どもひろばという団体が実施しているもので、今回は多摩地区の某小学校の公開授業での様子を見学しました。子どもたちに対して、みんなそれぞれに「安心」と「自信」と「自由」をもって生きるという「権利」をもっているということを、わかりやすい言葉で伝え、ロールプレイ(寸劇)を通して、これらが侵害されそうなときにはどうすればいいのかという具体的な対応を学びます。とても和やかな雰囲気であっという間に1時間が終わり、ワークショップを受けていた子どもたちも、元気に発言を求めて手を挙げる姿がとてもほほえましかったです。「法教育」というと、なんだか固そうな感じですが、こうして楽しく、...「子どもの暴力防止プログラム」見学

お子様連れの法律相談でも安心です。

今日は、1歳にならないくらいのお子様がご一緒に相談にいらっしゃいました。車の中でさっきまで寝ていたとのことで、初めはちょっとぽかん、って顔をされてましたが、目が覚めてからは、パパのお膝でおりこうさんでした。お子様連れのご相談に備えて、いくつかのおもちゃを用意しています。私の甥っ子のお気に入りで、大きくなって使わなくなってからも大切にしまっていたのを、事務所の開所祝いということで譲ってもらいました。お子さんがちょっとぐずりだしても、「ぼく、アンパンマン！」の声でぴたりと泣き止みます。そのほか、積み木や絵本などもご用意しております。眠ってしまった赤ちゃんにはベビーベッドを、また、一人遊びができるお子様には、ベビーヤードをご用意いたします。お膝で退屈よりも、ベビーヤードで遊んでいた方が楽しそうです。ミルク用のお湯も、...お子様連れの法律相談でも安心です。

別れた夫の借金に泣かないで！

今日は、法律相談センターの相談担当の予定でしたが、1時間前にキャンセルの連絡があり、相談がなくなってしまいました。仕方がないので、お昼を食べてブログを更新して、汗がひいたら帰路につきます。さて、今日は離婚と離婚前の借金についてお話しします。離婚の際に問題になる場面として、1生活費以外の個人的な借入れ（ギャンブルや浪費等）がある場合2自宅不動産や自動車を買ったときのローンが残っている場合3生活費等のための借入れ金がある場合今回は1の「生活費以外の個人的な借入れ（ギャンブルや浪費等）がある場合」について。原則として、ギャンブルや浪費のためにできた借金は、財産分与などでも考慮されず、借金の名義人が引き続き返済をしなければなりません。自分が使ってできた借金ならそれで仕方がないのですが、夫が自分の名義では借りられなくなっ...別れた夫の借金に泣かないで！

浮気で離婚を決意したときにすべきこと

弁護士の鳥生です。夫が浮気をしているのに気がついて、離婚を決意したときにしておくべきこと、それは「証拠の収集」です。決定的な場面を写真に納められることは、なかなか難しいですよね。親密なメールや通話履歴など、調べられるのであれば、コピーや写真を撮っておきましょう。また、カードの利用明細も相手方の行動を知るよい手がかりになります。是非やっていただきたいことは、日記をつけることです。相手方の帰宅時間や、怪しいと感じた言動をできるだけ細かく記録しておきましょう。浮気についての証拠収集も大切ですが、財産関係についての証拠収集も同じくとても大切です。通帳は記帳して、保険証券は保険の内容が分かる資料をコピーしておきましょう。投資をしている場合は、送られてくる書類の内容をできればコピーしておき、封を開けるのが難しいようなら、会...浮気で離婚を決意したときにすべきこと

子ども手当についてぼんやりと考えたこと

弁護士の鳥生です。数日前の日経新聞に、子ども手当に関する記事がありました。ご承知のとおり、子ども手当は鳩山政権の目玉政策の一つで、2009年の衆院選の際のマニフェストには、15歳以下の子ども一人あたり、月2万6000円の支給を掲げていて話題になりました。予想していたほど財源が確保できず、今年度は半額の1万3000円を支給されています。これにあわせて、手当の財源とするために、年少者扶養控除と配偶者控除を廃止するという税制改正が行われ、テレビなどでも、「子どもがいない世帯では」負担増になると伝えられていました。しかし、それは当初の予定の月額2万6000円を支給されるという前提の話。もし、支給額がこのまま1万3000円のままで控除が廃止された場合、子どもがいない世帯のみならず、3歳未満の子ども一人の世帯においても、年...子ども手当についてぼんやりと考えたこと

「どこに相談をしたらいいのか分からくて・・・」

弁護士の鳥生です。法律相談を受けていると、「どこに相談をしたらいいか分からなかった。」といわれることが多くあります。でも、たいていの方が、本やネットで事前に一通りの知識をもっていらっしゃいます。おそらく、離婚について相談をする先にどういうところがあるか、という選択肢はある程度分かるけど、どちらがどう違うのか、という部分が分からないのではないでしょうか。行政書士さんと弁護士の違いは、簡単にいうと、当事者に意見の対立がある場合に相談を受けられるかどうか、という点です。司法書士さんと弁護士の違いは、当事者の代理人として、当事者に変わって相手方と話し合いをしたり調停や訴訟をすることができるかという点です。離婚Q＆A「まずどこに相談に行けばいいのでしょうか？」「離婚になかなか応じてもらえない」、「離婚自体は納得してるのだ...「どこに相談をしたらいいのか分からくて・・・」

私が離婚事件に取り組む理由

東京都立川市の弁護士鳥生です。これまで女性側の離婚事件を積極的に受任してきました。離婚事件は当事者が感情的でこじれることもあり、また時間がかかると思われているせいか、あまり好んで引き受けない弁護士もいるようです。ただ、私はむしろ私の業務の中心においています。なぜなら、相談を受けてから事件が解決するまでの間に、依頼者が変わっていく瞬間を共にすることができるからです。初めて相談にいらしたときは、一様に疲れ果て、「とにかく早く離婚したい。」と力なく話していた方が、打ち合わせを重ねるうち落ち着きを取り戻し、今後の生活設計に目が向いた瞬間に、目を見張るほど顔つきが変わるのです。他の事件でもそういうところがないわけではないのですが、当事者の感情の部分が多くのウエイトを占める分、その変化が大きいと感じます。事件処理の過程では...私が離婚事件に取り組む理由