内田樹『映画の構造分析』
副題は「ハリウッド映画で学べる現代思想」。映画評論の本ではありません。<誰でも知っている映画を素材に使った、現代思想の入門書>なのです。 第1章「映画の構造分析」において、内田は<メディアから提供されるすべての情報は「物語」です>と言いきります。どういうことかというと、我々は物事を理解するときに情報の取捨選択を行っており、このデータを選択することを<「お話を作る」というふうに言い換えているだけのこと>なのだそうです。物語の効能として、難しいことを理解するためにストーリー仕立てにするという手法がありますが、まさしくそんな感じなのでしょう(ex.女子高生ドラッガー本など)。<「知る」とは「物語る」…
2010/09/30 20:09