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  • 「Hungarian Rhapsody: Queen Live in Budapest」

    クイーンのコンサート映画。ライブの合間にドキュメンタリー風の映像が挿入される形で進行する。共産主義圏では初となるハンガリーの首都ブダペストでのライブ。フレディのエンターテイメント精神への意欲もとい飽くなき欲望がスクリーンには溢れかえっていた。ハンガリーの童謡を歌い終わった後の歓声がすごい。感性の異なる四人のクリエイターが自由にものをいえる風土があったからこそ、ロックからオペラまで多彩なクイーンワールドがあるんだなと改めて次第でありました。

  • 鹿島田真希さん、芥川賞を受賞する。

    第147回芥川龍之介賞の選考委員会が平成24年7月17日(火)午後5時より築地・新喜楽で開催され、下記候補作品の中から鹿島田真希さんの「冥土めぐり」が授賞作に決まりました。(文藝春秋社ホームページより) 鹿島田さんのファンなので、芥川賞を受賞されたことが素直に喜ばしいです。何度も候補に上がりながらの今回の受賞ということもあり、一読者として嬉しいものがあります。これを機に絶版既刊本も文庫化してほしいなあ。 感想にすらなっていないひどいものですが、鹿島田さんの本を読んだときのメモをまとめてみました。 『一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する』(2003年・河出書房新社)http://d.hatena…

  • 「ヘルター・スケルター」

    全身整形のトップスターが主人公の美しさを巡る尽きることのない欲望の物語。エリカ様主演映画ということを当日に知って半分興味本位で鑑賞しました。蜷川監督は写真家ということもあり、色使いが鮮やかで画面がものすごくきれい。事前に想像は出来ることだけど、リリコ役=沢尻エリカははまり役で、リリコとエリカはどこか一心同体というか復帰作として考えると意味深な感じも。複数登場するリリコのベッドシーンも使い分けが凄まじいというか意図せずに欲望のままその時々の感情がリリコのセックスに現れているという印象を受けた。私自身はエリカ様のファンではないけれど、今後の活躍を応援していきたくなるそんな作品です。 他のキャストも…

  • 鹿島田真希『来たれ、野球部』

    待望の鹿島田真希さんの新刊。手にとってみてまず思ったこと。本間違えたかしら。表紙がラノベ風イラストなのだ。従来の鹿島田作品ならまずありえない。 半信半疑のまま図書館で借りて家に帰って読む。有川浩ばりのベタアマ展開これは……。と思ったのもつかの間、おなじみの鹿島田調がゆるやかに奏でられてきたので一安心。 頭も容姿も運動神経も良い喜多義孝と幼馴染の宮村奈緒の物語。ツンデレかと思ったらベタアマで二人の関係はつかず離れずといったかんじ。10年前に自殺した女子高生の日記をキーにして義孝に変化が訪れる。このあたりはデビュー作『二匹』(河出文庫)と雰囲気が似てるかもしれません。 義孝に奈緒、担任兼野球部顧問…

  • スッキリわかるJava入門

    厚さ3.5cm。ページ数にして640ページあまり。この手の本では珍しくない分量とはいえど、存在感は十分すぎるほどにある。本書は湊くんと朝香さんという二人の新入社員が、ベテランエンジニア菅原さんからレクチャーを受けながらRPGゲームを題材にプログラミングの概念や方法論を学んでいくJavaの入門書である。独学だと途中でつまずいてわからなくなったり、そもそも最初から書かれている内容がチンプンカンプンだったり、モチベーションを保つのに苦労したりする。献本をいただいたときにも「読み切れるかな」と不安になりましたが、結果的に心配は杞憂に終わりました。ページ数が多いだけあって基礎の基礎から懇切丁寧に解説して…

  • 20110804Wordpress活用セミナー

    京都リサーチパークで行われた「Wordpress活用セミナー」に行ってきました。「KRP−WEEK」という8月1日(月)〜7日(日)まで行われたイベントのひとつみたいです。初めてのリサーチパークで、少し早目に到着したのでTSUTAYAなどを散策して時間をつぶしておりました。ダークネスで最先端な雰囲気の建物がいくつも連なっておってちょいと異質な空間。受付で予約してた名前をいうと係の人が「よろしければ名刺を頂戴しております」とにっこり。学生やし名刺なんてもってない私は慌ててしまい「持ってないです。。。」完全にミスったのである。講演される方や参加者同士で名刺の交換をしたり、そこからビジネスが始まるな…

  • 20110713第49回京都大学未来フォーラム

    はてな10周年! #hatena10th - はてな 2001年「人力検索はてな」の誕生からサービスを開始し、2011年7月15日に、はてなは10周年を迎えました。10年間サービスを続けてこられたのは、ユーザーの皆様をはじめたくさんの支えがあっての事です。これからも、よりよいWEBサービスを提供させて頂きたいと思います。何卒よろしくお願いします。 はてな10周年おめでとうございます!先日、京都大学未来フォーラムにおいてはてな代表取締役社長である近藤淳也氏の講演「ウェブコミュニティの設計と運営」を聞く機会がありました。そのときのメモを近日中に公開いたしますね。

  • 「SUPER8」

    自主制作映画を作っている少年少女のジュブナイルムービー。予告編を見ずに行ったら思いのほかアクション色が強くてびっくりしました。映画のクレジットのところで主人公達が作った映画が上映されるという粋な演出が良かった。内容は違うけど「ジュブナイル」という映画を思い出してしまったよ〜。人類と未知の生命体との遭遇なんだけど、確かに疑問点はいっぱいでてくる。説明を省いた描写にド派手なシーンが頻出するから観る側に考える時間を与えないんですよね。恋愛部分とかももろ王道だけど人間て王道には弱いんだよねー。主人公のジョー・ラム役を演じているジョエル・コートニー君がかわいくて癒されました☆

  • 三浦しをん『格闘する者に○』

    『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞した三浦しをんのデビュー作は女子大生の就職活動奮闘記。24歳が書いた作品とは思えないくらい完成度は高い。 漫画が大好きな女子大生可南子が漫画雑誌の編集者を目指して就職活動を行うというのが粗筋。でも可南子の就職活動というのは全体をとおして語られることの一部にすぎません。徐々に明かされる可南子の特殊な家庭事情や周囲の個性ある登場人物が織りなす行動が重層的に物語を構成しています。 特に親族や後援者が集まる会議が阿鼻叫喚もの。人の持つ様々な思惑が入りつ乱れつのカタストロフ。すらすらと読みやすい文章には細心の注意が払われていて猛烈な勢いで会議が進行していく。一箇所気…

  • 私の脳内公開します

    大したことじゃないけどいろいろ思うことがあって。でもTwitterにつらつら書くのもどうかなと思ったのでここ数カ月間に考えたことをまとめてみました。当たり前すぎる話が多くて退屈かとは思いますがご容赦ください。(1)就活してて思うこと。ベンチャー企業ってIT(Web)業界が大半。もしくは人材か広告。たしかに参入障壁は低そうに感じる。設備投資がかからないし、技術も多少必要だけど人で勝負ってかんじ。私はベンチャーと中小企業は違うと思うのだけど、似たようなものと考えている人もいるみたい。たしかにちゃんと定義されていないというか曖昧だよなあ。ちなみにwikipedeiaによる定義はこちら。 ベンチャーと…

  • 「ソーシャル・ネットワーク」

    ひさしぶりに映画を観ました。フェイスブック創業の物語。土曜夜なのに田舎だからか人少なかった。何の情報もなしに観たら全体は意外と暗いはなしだった。訴訟を中心にして当時と現在をいききするから、ちょっとわかりにくい。いやーでもネットに興味がある私には勉強になりました。最初のほうで主人公が使っていたノートパソコンがVAIOだったのが印象的でソニーは世界的企業なんだなと。ソニー(どんな会社)だって最初は小さな企業だったのだと考えると感慨深い。ベンチャー企業の成立過程はドラマにしてみるとおもしろいという見本ですね「ソーシャル・ネットワーク」は。人間関係が肝。富やら名声やらの影には黒いものが必ずまとわりつい…

  • 20110119内田樹講演会@京大

    19日に京都大学で行われた内田樹さんの講演会に行ってまいりました。今年で勤務先の神戸女学院大学を辞められるとのことで、内田先生の講演を聞こうと多くの人が見に来られてました。 当初予定されていた教室が変更になり、語学で使うくらいの中教室は立ち見や座りで蒸詰状態に。教室に入れない人までいたようで急遽、文学部棟から法経学部棟の大教室に移動をしての講演となりました。(それでも満席。立ち見もちらほら。内田先生すごい)講演の題目は「人文科学に未来はあるか(あるといいけど)」。日本の人文科学はなにも背負っていないということを学会での経験を元に吐露されておりました。内田先生は昔仏文学会の編集委員をされていて、…

  • パウロ・コエーリョ『アルケミスト』

    羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。 角川文庫夏の100冊にも選ばれ世界中で売れているパウロ・コエーリョの小説です。羊飼いの少年がピラミッドに向けて宝探しの旅にでるおはなし。以前、娼婦マリ…

  • 2010年度ベスト5

    あまり読めてないけど今年読んだ本のなかから印象に残った本を挙げてみたいと思います。第五位堤清二、三浦展『無印ニッポン―20世紀消費社会の終焉』(中公新書)示唆に富んだ対談集でした。無印良品のコンセプトなり堤さんの考え方を垣間見ることのできるエピソードがたくさん。詩人経営者こそいま求められている資質なのでは。 無印ニッポン―20世紀消費社会の終焉 (中公新書)作者: 堤清二,三浦展出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/07メディア: 新書購入: 5人 クリック: 39回この商品を含むブログ (31件) を見る第四位内田裕也『俺はロッキンローラー』(廣済堂文庫)人生をロックしている内…

  • 羽田圭介『不思議の国のペニス』

    男子校1年の遠藤は自称“エロセレブ”。2つ歳上の女とSMならぬSS関係を続けるが…。“エロ”から始まり、“ラブ”に落ちた、ぼくとナオミの恋の行方。逆走する純愛小説の傑作。『黒冷水』の著者が贈る文藝賞受賞第一作。 男子高校生の生態ならぬ性態が描かれている青春小説です。主人公は青春小説お得意のスカした野郎で、彼女とSSプレイを行っている。童貞達の下ネタ談義満載にもかかわらず、あんまり楽しめななかった。唐突に出てくるエロセレブという単語の必然性がわからないっす。男子校特有の空気なのかねー。文章は読みやすいけど登場人物多すぎてわかりにくす。 地名はほぼ実名なのに、秋葉原だけAという記号で表象していたの…

  • セクマイについて思うこと

    ブログでセクマイのこと書くのもどうかなと思うのだけど書いてみる。セクマイというのはセクシャルマイノリティの略で性的少数者のことを指す。僕もその一人でゲイ。同年代のいろんな当事者のかたと話す機会があって悩むのは、協力者とセクマイの関係なのである。 セクマイの協力者であるストレートのかたに対して、生態調査(研究)目的だと決めてかかる人(当事者)がいて個人的に驚いたことに端を発する。確かになぜ協力しようとするのか僕なんかも疑問には思うのだけど、決めてかかるのはどうなんだろ。それじゃあセクマイ(ゲイでも良いが)に固定化されたイメージ*1を抱く人たちと変わらないわけですよ正味。 セクマイと一口に言っても…

  • 芸能人にたとえるのは愚問

    よくある「芸能人では誰が好き?」とか「どんな子がタイプなん?」みたいな質問。そこでYOUとか友近とか答えると年上すぎていつもひかれる(ちなみに僕はゲイなので性的対象にはなりません)。それは僕がおかしいというよりも日本が超ロリコン社会なんじゃないかとふと思った。 この手の質問はよく初対面というかあまり親密でないときに男同士でする話題だったりする。僕なんかからすると芸能人に例えたりしても実際付きあえるわけではないから意味ないし、身近な人物で誰がタイプか聞けよと思う。今日はこんなことばかり考えていて頭がおかしくなったのですが……。 この質問の背景には、芸能人=誰でも知っているという幻想が前提としてあ…

  • 『かわいい悪魔』『京大M1物語』

    『かわいい悪魔』志村貴子さんによる単発作品を集めた短篇集です。表題作を読んでも最初はよく内容が理解できず戸惑う。魔女と少年の交流を描いてるんだけど非日常なはなしなので不意を突かれちゃった。少年がとてもかわいらしいのん。のほほんと和むかんじのムキになったらかわいい男の子。他にも自由研究で銭湯を観察する少女とか少女漫画の世界に没頭している女の子のおはなしとか。いきなり少女漫画風タッチが出てきたときには笑ってしまったよ。あまり書きこまないタッチに心情描写が上手いのはいつも志村さんなのですが妄想ワールドが炸裂していて濃い1冊でした。すこしくらい夢見てもいいよねってかんじ。少し割高なのが難点です。 『京…

  • がんこ堂島アバンザ店

    チキン南蛮日記です。がんこ堂島アバンザ店でチキン南蛮定食680円(税込714円)をいただきました。今日は祝日(文化の日)だったのですが、休日でもランチメニューが注文できるのです。ご飯大盛OKお代わり自由でメンチカツもついてすごいボリューム! 油濃いかなあと心配してたのですが、タルタルソースがにんじんたまねぎきゅうりをみじん切りしたものでむしろあっさりしてました。着物で接客されて気分も良いしコストパフォーマンス高すぎる。席もゆったりしててくつろげますよ。男性にも女性にもおすすめです。

  • 物語構造分析の理論と技法(2-1)

    このところ怠けすぎていたため研究が進んでいない……。卒論では物語の構造分析が主軸になるので高田明典氏の著書『物語構造分析の理論と技法』の第II部「構造分析手順」をまとめてみました。以下第II部前半の目次です。 第II部 構造分析手順はじめに 第8章 典型ストーリーの抽出 概要 毎回繰り返されるパターンの「典型ストーリー」の抽出 視聴による典型ストーリーの抽出 シーケンス分析による典型ストーリーの抽出 第9章 シーケンス分析 概要 シーケンス分析の手順 第10章 行為項分析 概要 シノプシスの作成 話素の抽出 機能の同定 行為項の機能の同定 対象の同定 主題と主人公の同定 関係の抽出 登場キャラ…

  • 内田樹『映画の構造分析』

    副題は「ハリウッド映画で学べる現代思想」。映画評論の本ではありません。<誰でも知っている映画を素材に使った、現代思想の入門書>なのです。 第1章「映画の構造分析」において、内田は<メディアから提供されるすべての情報は「物語」です>と言いきります。どういうことかというと、我々は物事を理解するときに情報の取捨選択を行っており、このデータを選択することを<「お話を作る」というふうに言い換えているだけのこと>なのだそうです。物語の効能として、難しいことを理解するためにストーリー仕立てにするという手法がありますが、まさしくそんな感じなのでしょう(ex.女子高生ドラッガー本など)。<「知る」とは「物語る」…

  • 「蒲田行進曲」

    つかこうへいの原作をつか自身が脚色して映画化した作品。監督は深作欣二氏。小説版とは大筋は同じですが、細かいところはけっこう違いました。映画のほうがわかりやすくなってるかな。 小説のが想像力で補うぶん幾分か怖いのですが、映画版でもカタストロフは健在。銀次郎以上にヤスが怖かった。迫真の演技といっていいほど。ヤスは銀次郎の手下で銀次郎のことものすごく慕っているので性格が銀次郎に似てくるのですがなにせ感情がコロコロ変わりますからね。怒ったかと思えば泣きだしたりでさあ大変。そのへんは小説のほうが詳しく描けてます。補完する意味でも小説版もしくは戯曲を読むと頭のなかがすっきりするよ。 俺の屁はくせえのか?と…

  • つかこうへい『蒲田行進曲』

    映画『新撰組』で、はじめて主役を演ることになった銀四郎。その恋人で、かつてのスター女優小夏。そして銀四郎を慕う大部屋のヤス。銀四郎は、あたらしい「女学生のような」女の子に熱を上げ、妊娠した小夏をヤスに押しつけようとし、小夏は銀四郎を諦めてヤスを愛しようとつとめ、ヤスは「大好きな銀ちゃん」の言うままに、お腹の赤ん坊ごと小夏を引き受け、小夏との家庭を築いていこうとする。サディスティックなほどにマゾヒスティックに、傷つき、傷つけることでしか成立しえない「酷薄な愛」を描いたつかこうへいの代表作。第86回直木賞受賞。 原作は劇作品(戯曲)。自身が作・演出を手がけた劇作を小説化した作品です。銀四郎の付き人…

  • 内田樹『子どもは判ってくれない』

    語り口とは裏腹に刺激に満ちた本である。内田先生が大人の世界を子どもへ向けて書いた本といえばいいのだろうか。題材が多岐にわたる時評にもかかわらず全然古びていない。文庫版のためのあとがきで著者自らが述べているように内部情報などの新規情報を含んでいるわけではなく、誰でも知っているような題材に対して立場や意見を表明するといったものであるから<ある程度の期間読むに耐える>ものになっている。もちろん題材の捌き方が上手くないと人を惹きつけることは出来ないのでそこは内田先生の腕前によるものである。 内田本の性質といっていいのだが、読んでてすらすら頭に入ってくるだけでなく考えさせられることが多い。面倒臭いことで…

  • 水月昭道『高学歴ワーキングプア』

    副題は「フリーター生産工場」としての大学院。大学院博士課程まで進学し、博士の学位を得るものの就職先がないというポスドク問題を扱った本です。文部科学省が大学院の定員を増員したため、大学院への入学が容易になり本来取得が難しかった博士の学位も比較的簡単に手に入れられるようになった。しかし、悲しいことに定員が大幅に増えたにもかかわらず主な就職先である研究職(大学教員)のポストは減るばかり。行方不明者や自殺者の割合も通常に比べ極端に多く笑えない問題である。企業も博士課程出身者を敬遠しがち。深刻な問題にもかかわらず文部科学省はなにをしてるんじゃいってなわけである。著者自身が当事者であるためか余計に切実感が…

  • 島田恒『NPOという生き方』

    NPOの役割と経営について比較的詳しく述べられている。NPOとは直接関係ないところもあるが、経営学の立場から書かれているところは学ぶところが多く、企業関係者にもお勧めできる本であった。多少読みづらい部分もあるが、新書サイズなので手軽に読めるのも魅力的。 序章「NPOの活動と活力」では、NPOの活動事例をとおしてNPOのミッション(使命)について述べています。ミッションは本書の肝となる単語で、幾度となく重要性が主張されていますが、要するに<組織の目的であり価値観>であり、NPOにとって<最上位の理念>なのだ。 著者はNPOを以下のように定義しています。<民間によって自主管理されており、利益配分す…

  • 山岡義典編『NPO実践講座2』

    副題は「人を活かす組織とは」。NPO法人の運営に携わっている方が、法人設立の経緯や事業内容、運営方法などを綴った本。いわゆる体験談なので読みやすくNPOを立ち上げようと考えている人にとっては参考になるところも多い。 第一章は総論。企業との違いやNPOの形態について述べられる。世間型組織の人間関係は「縁」「恩」「情」を大切にし、市民型組織の人間関係は「信」「義」「愛」を大切にするという著者の主張は興味深い。現在は<世間型組織の特徴を土台にしながら、市民型の特徴が次第に強くなりつつある>そうです。 第二章から第五章までは、各事例の報告が続きます。第二章は行徳野鳥観察舎友の会の東良一氏。組織にとって…

  • 『キテレツ大百科』

    いわずと知れた藤子・F・不二雄さんのコミック。小学館の藤子・F・不二雄大全集で読みました。 似たような物語でも読者をひきつける力と、特徴のあるキャラクターが全面にでていて飽きさせない。さすがだなあというか職人芸の域に達しています。なによりオチのつけかたが抜群に上手く感心させられました。ドラえもんと共通する部分はありますが、主人公はあくまでキテレツなのであり、コロ助は助手という位置づけなのかな。実際道具(ガジェット)を作るのはキテレツだし。コロ助はかわいらしくてとても愛着のわくキャラクターだよ! 人間味がある。エンディングはちょっと置いてきぼりをくらいそうな気分であったが悲劇的になりすぎず、程よ…

  • 「ライフ・イン・ア・カートゥーン・モーション」

    ミーカのアルバムはどこまでもポップ。フレディ・マーキュリーを彷彿とさせる高音ボーカルに、いろんな人の声が加わってたのしくないはずがない純度100パーセントのエンターテイメントに仕上がっておりました。ピアノオリエンテッドな感じで遊び心満点。 ライフ・イン・カートゥーン・モーションアーティスト: MIKA出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル発売日: 2010/08/04メディア: CD購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る

  • ジョナサン・カラー『文学理論』

    平易でわかりやすい文学理論入門書。本書の特徴は、文学理論の流派を歴史や人物で区分するのではなく、各流派に共通するトピックについて述べることで文学研究もとい文学理論に触れている。1 理論とは何か? <理論というのは名前(ほとんどが外国人の名前)の寄せ集めではないか>という疑問から出発し、<theoryは単なる仮説以上のものでなければならないが、自明のことであってはならない>ことを会話でのtheoryの使い方を例に挙げて説明する。つまり単純すぎるのはダメで複雑じゃないと理論にならないのだ。 理論は<本来無関係の分野にまで刺激を与えたり、新たな思想上の方向づけをしたりするような著作を指すように>なっ…

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