考古学はゲノム解析によって新たな沈黙大陸に直面する
近藤義郎が「考古資料はもともと沈黙資料であることを特徴とする」と冒頭で述べているのは、『前方後円墳の時代』である。彼が重視したのは発掘であった。徹底した発掘である。 発掘された沈黙資料に口を割らせるのは何か。 かつて考古学は寡黙な人骨を前に、精緻な目視による比較で立ち向かった。 今は人骨から直ちにDNAが解析され、その出自を語らせる。 何も語らなかった人骨を一気に饒舌へと導いているのはDNA解析、ゲノ...
2025/03/26 08:51