マーメイド クロニクルズ 第二部 第7章−8 夏海とケネス(再編集版)
こうしてマリアの長かった話は終わった。やっと夏海が口を開いた。「ごめんなさい。いろいろ、あやまらなくてはいけないことがありすぎて・・・・・・ケネスと出会ってからはずっと幸せだった。それまでずっとつっぱっていたのが、初めて一緒にいてのびのびできる人に出会えた気がしていた。ナオミをあなたが海でひろってきて、この赤ちゃん、六本指だと思ったときも軽く考えていた。ナオミの六本目の指を切った方がよいと言ったのも、夢の記憶のような子供の時の蛇との約束にとらわれていたわけじゃなくて、本当に五本指の方がナオミのためにはいいと思ったからなの。でも・・・・・・」ケネスは、それまで一度もなかった夏海の提案に逆らった彼の記憶をたぐり寄せて、言った。「でも、どうしたんだ?」「夢を見るようになったの」「夢?」「毎晩、夢の中にあの巨大な蛇が現...マーメイドクロニクルズ第二部第7章−8夏海とケネス(再編集版)
2020/11/30 00:00