第一部 1章−8 ナオミが旅立つ時
ナオミの目から涙が出そうになった時、トーミの思念が伝わってきた。(涙はこれからのためにとっておくがよい。人間界にいけばつらいことはいくらもある。これはお前の運命じゃ。すべての別れは、あらたな出会いのため。儂がいつも言ってきたことを覚えておるのう。お前は、これからさまざまな災厄に出会う。だが、お前がどこへいっても教え導くものと助けてくれるものには困らないようにしておいてやろう。儂からの、せめてものはなむけじゃ)トーミは、彼女自身が祖母から贈られた真珠のネックレスをナオミの首にかけた。この時、トーミがゲームにハンディはつきものと独り言を発したのに気づいたものはいなかった。(お名残惜しゅうございます)(儂の寿命も、つきようとしている。あるいは、プルートゥ様のお許しがいただければ人間界で霊として会えるやも知れぬ)(おば...第一部1章−8ナオミが旅立つ時
2019/06/28 00:00