川上未映子「夏物語」
本屋を物色していると、たまたま見つけた文庫本。あまり興味もなかったのだが、海外でも評価されたという帯を見て買ってみた。衝動買いするにはあまりにも積ん読が多く、そしてなかなかのページ数だった。川上未映子の印象はほとんどなく、読んだこともなかったので過去との比較はできない。主人公の夏子はアラサーになってもまだ独り身で、生活も安定していなかった。幼少の頃から貧困で、小説家を目指して文筆生活を送っていたが、先は見えていなかった。そんなとき、大阪に住むシングルマザーの姉が子どもを連れて、上京してきた。話によれば豊胸の美容整形を考えているということだった。冴えない街でスナックに勤務しているシングルマザーの姉が何のために大金を払って豊胸手術を行うのか。全く話をしなくなったその娘緑子とともに、小さなアパートに押しかけてくるのだ...川上未映子「夏物語」
2021/10/25 20:23