クラブ【ハヴィエ】～⑩～

ハウイは楓を店から連れ出し、公園のベンチに楓を降ろした。「カエデさん、大丈夫ですか？」時折苦しそうに顔をしかめる楓を心配そうに覗き込む。そして、露出の高すぎる…

クラブ【ハヴィエ】～⑨～

「なかなかやるね。」リトは不敵に笑いながら空になったグラスにボトルを傾けた。しかし、その腕は震えおぼつかず、大半の酒がこぼれる程だった。「………。」いったい何…

クラブ【ハヴィエ】～⑧～

屋敷。深夜、アスカははっと目を覚ました。「………。」起き上がり指輪にはめ込まれた石を見つめる。石は一瞬鮮やかな光をたたえ、やがて消えていった。──また無意識に…

クラブ【ハヴィエ】～⑦～

アリアは羽振りよく何本もボトルを入れ、アリアのテーブルは、どんちゃん騒ぎになっていた。大勢の男に囲まれるなか、楓は黙々とグラスの酒を空ける。アリアはリトにべっ…

クラブ【ハヴィエ】～⑥～

従者は、偵察に行っていくらも時間が経たないうちにハウイのもとへ戻った。「ずいぶん早いですね？」ハウイは執務机から顔を上げた。「はっ。すぐにお伝えしたほうが良い…

クラブ【ハヴィエ】～⑤～

クラブ【ハヴィエ】は、城都の繁華街の一角にあり、そこそこ繁盛していた。アリアは店に入ると馴れた様子でリトを指名し、一番奥のテーブルに座った。その後をおどおどし…

クラブ【ハヴィエ】～④～

ハウイはマルクスの使者から受け取った報告書に目を落とした。そこには、リトのわずかな情報が書かれている。ハウイは使者に礼を言うと下がらせ、控えていた従者に目をや…

クラブ【ハヴィエ】～③～

「で、何で私を連れていくの？！」楓はぶつぶつ言いながらも、アリアの後を着いて歩く。マルクスに言いつけに行こうとし、半ば拉致されるかのように城都へ連れて来られて…

クラブ【ハヴィエ】～②～

楓は風呂から上がり、濡れた髪をバスタオルでふきながら、自室に向かっていた。戻る途中、ふとアリアの部屋がある2階を見上げた。──アリア、大丈夫かな。さっきは、す…

クラブ【ハヴィエ】～①～

「とゆーわけで明日、私が前から目をつけてた男に会いに行くわ。」アリアは、ばんっと勢いよくテーブルを叩く。そこへ、ハウイを見送りに行っていた楓が会議室に戻ってき…