太宰治「人間失格」を読んで
最近、割と本は読んでいるのだけれど、ほとんど平台に並んでいるベストセラーばかり読むようにしていた。ビジネス系の自己啓発みたいな本とか、小説でも「羊と鋼の森」みたいなものを選んでいた。そんな流れで、又吉直樹のエッセイ「夜を乗り越える」を読んだのだが、その影響で太宰治の「人間失格」を無性に読みたくなってしまった。実は若いころはそれ程、太宰に傾倒しなかった。「パンドラの匣」と「新ハムレット」は割と好きだったが、著者の主流な感じの作品ではないような気がしている。若いころは、どちらかというと「ライ麦畑で捕まえて」に影響を受けていたのだが、「人間失格」を読んで、実はすごく似てるのではないかと思った。どちらも割と豊かな家庭で優秀な兄がいたりする。ホールデンも葉蔵も何かに期待しては裏切られる。異なるのはその反応だ。他者に対して...太宰治「人間失格」を読んで
2016/06/27 23:48