中村文則『去年の冬、きみと別れ』
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが―。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!出版社:幻冬舎純文学ながら、ノワールミステリのような味わいがあっておもしろい作品だった。ややつくりすぎの傾向もあるけれど、個人的には好きな小説である。ライターの男が、犯罪者にノンフィクション執筆のため、話を聞きに行く。物語自体は、最初至ってシンプルだ。だが途中か...中村文則『去年の冬、きみと別れ』
2015/12/14 21:25