朱い瞳の魔法使い (その3)
東屋の横にはつくばいがあり、滝から水を引いて、いつでも綺麗な水が浅い水盤を満たすよう工夫されている。鹿威しはない。東屋に席を設けて茶会を行うこともあるので、つくばいには手水石の他に飛び石や前石を置いて、お着物姿の客が柄杓で手を洗えるようにしている。でも手水石の一番の客は野鳥だ。父は小さな鳥でも立てるように浅い水盤にしたので、今もキクイタダキが水浴びしている。つくばいの周囲はあまり和風とは言えない植栽になっている。クレオメ、ブットレア、アベリア、フジバカマ、柑橘類の数種を囲むのはクスノキ、エノキ、コナラ。つまりこの一隅は、蝶を呼ぶコーナーになっているのだ。やや地味な花と一緒に、蝶を愛でる茶会が好評だ。鳥も集まるように、コケモモ、ヤマボウシ、サンザシ、ピラカンサスなど配置している。近くの小学校が理科の時間に遠...朱い瞳の魔法使い(その3)
2024/08/31 10:44