天秤にかけられた命 第4幕 疑心暗鬼 8

天秤にかけられた命 第4幕 疑心暗鬼 8

「これより休憩に入りますが、その前にこれまでの出題による失格者の発表をいたします。失格者は2名、小笠原様と平田様です」本城はそうして暗い部屋の中で、決められたとおりのアナウンスを告げると小さくため息をついた。眼前にある幾つもの画面には真っ赤の絨毯の敷かれたホールが映っており、さまざまな角度からその様子が覗けるようになっていた。もちろん、最初に説明したとおり、音声も天井とテーブルに備えつけられたマイクから聞こえており、それぞれの出題から先ほど可崎が投げかけた質問まですべてが本城に耳に入っていた。本城はこの館の2階にある小部屋で、こうして参加者の動向をチェックするように言いつけがされている。初めに皆に向かって説明をした際には言わなかった事ではあるが、カメラが取りつけられているのは何もホールばかりではなく、廊下の要所...天秤にかけられた命第4幕疑心暗鬼8