足利義輝、上杉謙信を上洛させようと考える
藤考はそのころ京都で将軍、足利義輝のそばに仕えていた。義輝は、三好長慶の死を実権をとりもどす絶好のチャンスと考えた。だが、三好家の後を継いだ三好義継はまだ少年だったので、松永久秀と三好三人衆(三好長逸・三好政康・岩成友通の三人を指す。いずれも三好氏の一族・重臣であったためこの名で呼ばれた)が三好家を牛耳り、将軍も相変わらず傀儡でしかなかった。義輝は、数年前に上洛して自分の一字を与えた越後の上杉輝虎(謙信)のことを思い出していた。義や誠を重んじて、幕府や足利将軍家に対する忠誠や敬意を持ち、天下一といわれるほどの戦上手で、戦術の天才である彼を京都へ上洛させ三好と松永を討伐させようと考えていた。使者を送ったところ、輝虎は大いに乗り気でいるようだった。義輝は、彼ほど頼れる人間はほかにはいない、これで三好と松永を除いて、...足利義輝、上杉謙信を上洛させようと考える
2010/02/19 00:16