■鉄の匂い082■
翌朝。また鞄に漫画を詰めて学校に行く振りをしてると、玄関のチャイムが鳴った。昨夜のうちに連絡を取り合い今朝には玄関で待っているだろうと予想した6人の親ではなかった。玄関に居たのは担任の先生だった。予想は外れたが、思ったより早い対応に変に感心もしてしまった。先生が一緒に学校に行こうと言うので、並んで登下校路を歩く。なんか話すだろうと思って待ったのだが、先生はなかなか喋らなかった。このままでは学校に着いてしまう。学校に行けば当然昨日の襲撃はみんなに広まってるから、『僕』は昨日よりも更に酷いリンチに遭うだろう。このまま学校に行く訳にはいかない。適当な処で逃げようと機会をうかがっていると、先生は登下校路から外れ始めた。追い越し気味だった小学生の群れの流れが逆流になる。どうしたのだろう。河原に並んで腰かけて抜いた草振り回...■鉄の匂い082■
2019/01/31 23:35