蘇る思い
亡くなってしまったその人は、会ったこともない人でした。1枚の写真と1冊のノート、私が実際に見たのはそれが全て。どちらも彼女が亡くなった後に、見せてもらったもの。どんなに愛しているかを綴ったノート。旦那さんと子供もいたけれど、彼女が愛していたのは別の人。最後の賭けにでて、負けてしまったのでした。運命の人、そう彼女が思った人は、私の恋人でした。私は、ノートを読んで、相手の愛を得られるのなら、別の自分になることさえいとわない。相手が悪魔になろうとも受け入れる。病的とも思えるほどの盲目さに、自分の思いはそこまで無いという事に気づかされ、負けたと思ったのでした。死ぬことが愛の深さだとは思わないけれど、愛されるのなら、命さえ惜しくない彼女の思いの激しさに、恐怖さえ覚えたのでした。「私は、自分らしくいたい」愛する相手よりも自...蘇る思い
2019/02/21 12:49