「代の乱れたるにこそ聖人愚人は顕れ候へ」
タイトルは、日蓮(1222~1282)が信者に送った手紙の一節だ。現代語に訳せば「世の中が乱れている時にこそ聖人と愚人の違いが明らかになるのです」。コロナ禍、「マスクは不要」と叫ぶ集団。酒を呑み大騒ぎする若者たち。「コロナは風と同じ、怖くない」と真顔で言う中年。不安を怒りに変え、抵抗しない者や弱い者に当たる老人。なんとも情けない限りだ。愚かの極みだ。対して、騒々しい世間の中で、静かに防疫を実行し耐える賢明な人々。必死に走り続ける医療関係者。感染の恐怖と戦いながら、社会を動かすために働く、清掃員を初めてする多くの人々。弱者のために走る人々。愚人は聖人を認識しないが、聖人は愚人を見極める。聖人から哀れに思われないように、今からでも愚を改めよう……。「代の乱れたるにこそ聖人愚人は顕れ候へ」
2021/04/24 15:04