【2842冊目】町田康『壊色』
壊色 (ハルキ文庫) 作者:町田 康 角川春樹事務所 Amazon これは小説? エッセイ? 日記? それとも詩? 分類不能の一冊です。 例えばこんな感じ。 「確かにそのような日々 石炭殻、風に舞うモノトーンの風景に 突然、フォルクスワーゲン出現する。 確かにそのようなデイズ 悲しい目と憎々しい口もと 壁にむかいて、君の目は閉じられている。日本一の行き止まり。」(「二人の呪師とフリッカ」より) あるいは、こんな感じ。 「免許を更新し、感情の火災。夕方、なにか盗んでやろうと忍びこんだ近代的なアパートで私は三歳くらいの童子に銅鐸の使用法を説明している。「これは水さしだよ」などと嘘を教えておるのだ。…
2022/06/30 22:04