野町和嘉『写真』とは(3)ー写真は散なりー

野町和嘉『写真』とは(3)ー写真は散なりー

先回、デジタルカメラの高画素化とカラープリンターの精密化で、写真の可能性が広がるのでは。とお話ししました。(「野町和嘉『写真』とは(2)ー未来の写真ー」)それは、葛飾北斎が『70歳までに描いたものは本当に取るに足らぬものばかりである。73歳になってさまざまな生き物や草木の生まれと造りをいくらかは知ることができた。ゆえに、86歳になればますます腕は上達し、90歳ともなると奥義を極め、100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。そして、100歳を超えて描く一点は一つの命を得たかのように生きたものとなろう。』と言っています。その最後の『100歳を超えて描く一点は一つの命を得たかのように生きたものとなろう。』と言っているような、対象を写し取り絵に描くのではなく、紙やキャンバス上に、「リアルな存在や物体」(一つの命...野町和嘉『写真』とは(3)ー写真は散なりー