象嵌の器
福井の作り手・土本訓寛さんについては、かなり前の記事 で紹介したことがありますが、現在開催中の展示「北陸ノ手工藝」のために再び作品を制作してもらっています。前回 は焼締作品をご紹介しましたが、今回展示しているのは、妻・久美子さんとの合作の『象嵌(ぞうがん)の器』。 『象嵌』というのは、本体の表面を彫って紋様を施し、その凹んだ部分に別の素材を埋め込んでゆく装飾技法のこと。土本さんの場合は、赤土を彫って白い化粧土を埋め込んでいます。 もともと古い時代の朝鮮半島で『粉青沙器』と呼ばれていた器の加飾パターンのひとつで、日本では『三島』と呼ばれてきた古い手わざです。それゆえに、どこかいにしえの風情を醸し…
2017/03/26 15:55