その26 何かがいる

その26 何かがいる

「何かがいる」博士は、ねこのじかんの話を老紳士に向かって続けた。ねこのじかんの話をし出すと、あれもこれも話しておく必要があると、芋づる式に話は続いた。神は、博士の話を聞きながら、ねこのじかん研究所の奥に潜む不吉な影の存在を確認した。「やはり、ここの奥には、何かがいる。」ねこのじかんではない。新たな何かだ。禍々しいオーラを感じる。神にとっても、博士の話は興味深い。しかし、この研究所の奥にいる「何か」が、気になる。今日の神の目的はこの見えない相手を、近くで確認する事だ。天上の国からでは、その何かは神の心眼でもよく見えなかった。特殊な細工をしているのか、とにかく見えにくい相手だ。ねこのじかんの事がなければ、神はその存在に気が付かなかっただろう。博士の話の途中で、神は尋ねた。「ところで、この研究所の奥を見せていた...その26何かがいる