江戸元禄人模様 寺子屋師匠菊池三之亟 事件控え 第二話 火つけ 全文掲載

江戸元禄人模様 寺子屋師匠菊池三之亟 事件控え 第二話 火つけ 全文掲載

皆様の感想を楽しみにしています!第二話火つけ芝七軒町。銭屋長屋を師走の北風が江戸湾へ突き抜ける。寺子屋では今日も、手習いの真っ最中である。「おいおい・・・みの吉・・そんなに慌てて書くことはないぞ。今日はな、この壁に師匠が書いたーーいろはにほへとーーこれをしっかりと、ゆっくり見て書きなさい」「長次・・少し墨が薄すぎるようだな。留吉は、きちっと座り姿勢を正して書きなさい。梅、それでいいよ・・そうそう筆の先はそっと入れ、しっかり伸ばす。止めるところはきっちり止める」さとがほっぺたに墨を付けて言った。「梅はね、いつもなにかしゃべり方がおかしいんだよ。だってね・・イロハニフヘト・・・・ていうんだよ」前歯が一本抜けた梅はまだ少し空気が抜ける。「少し筆を休めて皆聞きなさい。人間はその身体の特徴や、やや欠けた所があっても...江戸元禄人模様寺子屋師匠菊池三之亟事件控え第二話火つけ全文掲載