山本富士子の「人肌孔雀」

山本富士子の「人肌孔雀」

永らくのご無沙汰でございます。「人肌孔雀」と聞いて、色っぽい系の映画かなと思ったら山本富士子が珍しい男装→若侍姿からあでやかな芸者姿へと変化し悪人に立ち向かうれっきとした時代劇娯楽作でした。市川雷蔵が共演。まあそれにしても美しいこと。美しいこと。お座敷での華麗な日舞にうっとり。あんぐり。まるで伊藤深水の絵画から抜け出してきたようです。鈴の音のような声で主題歌も歌っていらっしゃいます。なんでもおできになるんですねえ。一朝一夕では身につかない身のこなしとせりふ回し・・やはりこういう女優さんはもう現れないのかなと思ってしまいました。セットも素晴らしく夏のお屋敷のしつらえ、屏風お花といちいち完璧です。堺正章のお父さんの堺俊二が、岡っ引き役。達者な演技で笑わせてくれ・・カッコいい雷蔵といいコントラストです。江戸っ子弁が耳...山本富士子の「人肌孔雀」